ほんとにあった編集中の怖い話

 【ほんとにあった編集中の怖い話】


今から20年くらい前の話です。


当時、制作会社にいた私は、会社の地下にあるAvidの編集室で、経済番組の編集をしていました。

会社は地下1階・地上6階建ての自社ビルで、5階に私のデスクがありましたが、ほとんどの時間を地下の編集室で過ごしていました。


その日はディレクターが地方ロケ中で、翌日に帰ってくる予定でした。

朝までにそれまで撮影した素材をつないでおく必要があり、夜中の12時を過ぎても編集を続けていました。


今では少なくなりましたが、当時は夜中でも仕事をするのが普通でした。


1時頃だったと思います。

私は5階に資料を取りに行く必要があり、地下から階段で上がることにしました。

エレベーターもありましたが、私はいつも階段を使っていました。


階段を上がり始めると、誰かが前を上っている足音が聞こえました。


「ああ、まだ誰かいるのかな」


そう思って上を見上げると、女性のスタッフらしき人が、先に階段を上っているのがちらっと見えました。


階段の中央は吹き抜けになっていて、手すり越しに上の階が見える構造です。

そのまま足音を聞きながら上っていたので、追い越したり、別のフロアに入ったとは考えにくい状況でした。


ところが、5階に着くと——

フロアは真っ暗でした。


5階のスタッフは、すでに全員帰宅していたのです。


一瞬で、背筋が冷たくなりました。


「6階に行ったのかもしれない」


そう思い、階段の上を見上げましたが、6階も消灯しています。

6階は技打ちなどで使用する大会議室のみのフロアで、普段は施錠されています。


私は5階の電気を付け、自分のデスクから必要なものを取り、


「今のは何だったんだろう……」


そう思いながらも、朝までに編集を終わらせなければならず、地下の編集室に戻って作業を続けました。


明け方近く、私は編集室のソファで仮眠をとっていました。

すると、


「ダダダダ……」


と、誰かが階段を走って降りてくる音で目が覚めました。


走りながら、地下まで一気に降りてくるのが分かります。


私は誰かが来たのかと思って体を起こし、地下の階段につながるドアを見ました。

しかし——ドアは開きません。


かなり気味が悪かったのですが、眠気で意識も朦朧としており、そのまままた眠ってしまいました。


──────────────


後日、こんな話を聞きました。


昔、会社が儲かっていた頃、本社ビルの近くに、もう一つ別のビルのワンフロアを借りていたそうです。

そのビルで、上司のプロデューサーと不倫関係にあった女性のプロダクションマネージャーが、自殺したという話でした。

不倫が原因かどうかは分かりません。


そのビルは現在解約していますが、それ以降、本社ビルの階段で、女性スタッフの後ろ姿が目撃されるようになったそうです。


その後、私は退社しましたが、今でもその会社はそこにあります。

成仏されていることをお祈り申し上げます。



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